もともとは5週限定の短期集中連載だったが、読者からの反響が大きかったため、正式連載となった。
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読者は比較的年齢層が広く、ベーカリー関係の仕事(例:ベーカリーコンサルト)をしている人が購読していることも少なくない。 専門用語を解説しているので、パンを中心とした勉強になるのも特徴。 パンを試食した際のオーバーリアクションから「ミスター味っ子」を見た世代にも高い人気がある。 また、そのリアクションが人気アニメや漫画のパロディとなっているケースが多い。 連載当初は純粋な料理漫画だったが、終盤になるにつれてパンを食した際のリアクションによるギャグ要素が色濃くなっていった。
「太陽の手」と呼ばれるパンの発酵に適した温かい手を持つ少年、東 和馬は、幼少の頃、姉・稲穂に連れられて行ったパン屋St.Pierre(サンピエール)の主人から、「日本人にとっての『ごはん』より美味い日本独自のパン『ジャぱん』を創りたい」という夢を聞かされ、自らも「ジャぱん」を生み出すべく、独学でパンづくりを覚えていく。
中学校を卒業した和馬は、大手ベーカリー・チェーンの「パンタジア」東京本店の採用試験を受ける。和馬は河内 恭介、梓川 月乃、諏訪原 戒と共に最終選考に残るが、オーナーの孫娘で有力な新人を発掘するために採用試験に参加していた月乃は最終選考を辞退する。一方、河内は大げさな身の上話で和馬の同情を買い、最終選考課題の「クロワッサン」をルール違反をして二人で作るつくることになる。和馬は「324層クロワッサン(ジャぱん43号)」の生地を完成させるが、河内の話を真に受け、勝ちを譲るために採用試験を辞退してしまう。最終選考に受かった河内だったが、和馬が辞退した理由を月乃から聞かされると、その優しさに心打たれ、本店採用を辞退する。二人は月乃に拾われ、彼女が店長代理を務めるパンタジア・南東京支店に勤務することになる。
しかし、そこはパンタジアの支店とは思われないほどに寂れた店だった。実は、月乃の母は正式な妻ではなかったため、梓川一族の中でも冷遇され、寂れた店をあてがわれていたのだった。そうとは知らない和馬と河内は協力して南東京支店を盛りたてていき、やがてパンタジア・グループの新人職人が挑戦する新人戦に参加する。しかし、そこで二人は、正妻の子で異母妹である水乃から姉として扱われていない月乃の姿を目にする。南東京支店の店長である松代 健から月乃の境遇を聞かされた二人は、月乃の力になろうと誓い合う。
水乃そして水乃が放つ謎の職人・コアラ(正体は模糊山 剛)をも撃退した和馬だったが、さらに月乃の異母姉である雪乃の挑戦を受ける。パンタジアのライバルチェーンであるサンピエールのオーナー・霧崎 雄一と手を組んだ雪乃は、パンタジアを乗っ取るために、なりふりかまわず汚い手を使って和馬を潰しにかかるが、和馬はそうした妨害をことごとくはねのけてしまう。そして、雪乃は最期の切り札として酵母菌に造詣が深い冠 茂と和馬を対戦させる。しかし、タンパク質分解酵素エンドプロテアーゼを試合前に混入させ、親友の河内をも陥れた雪乃の汚い手口に和馬は怒りを爆発させ、見事冠に対しても勝利を収めるのだった。
新人戦終了後、研究所を雪乃の手によって爆破された冠も南東京支店に移籍する。冠は、雪乃の悪事を阻止するために、パンタジアが乗っ取られても別行動が取れる月乃個人名義の南東京支店に移籍したのだった。経営をうまくいかせるための資金として、和馬・河内・諏訪原が出ることになったパンの世界大会、モナコカップでの日本チームの優勝に冠は5170万円を賭けた。冠が河内に教えたある作戦が大成功したためオッズは300倍、日本チームが優勝するのを待つばかりとなった。だが、サンピエールからの数々の妨害が和馬ら日本チームを待っていたのだった。しかし困難を乗り越えた日本チームは見事に優勝、150億円が手に入る。だが時すでに遅しサンピエールはパンタジア株50%以上を買い取り、パンタジアを企業買収してしまう。そんな時、サンピエールオーナー霧崎雄一は月乃をパンタジアの社長、雪乃をサンピエールの社長にして2社をテレビ番組焼きたて!! 25(アニメでは、焼きたて!! 9(ナイン))で対戦させ、パンタジアが勝てばサンピエールは株を返し、負ければ返さないと挑戦状を叩きつけ、月乃はそれに応じた。和馬は次第にパンタジア対サンピエール・月乃対雪乃の対立に巻き込まれていき、和馬は月乃を守るために新たな挑戦者たちに対峙していくことになる。
従来の料理漫画では出された料理を食べた客や審査員が「うまい!」と唸る等のリアクションを起こすのが常識であるが、本作の場合、単なる演出のレベルにとどまらず、そのリアクションが過剰に大きい。作中の人物も「リアクション」として異常現象を認識している。この手の演出はジャぱんと同様にテレビ東京とサンライズが制作していたテレビアニメ『ミスター味っ子』か味っ子と同じ週刊少年マガジンで連載されていた『中華一番!』がルーツと思われる。
作品世界内では審査員の起こしたリアクションが過剰であればあるほど旨いパンだったということになっている。リアクションは一般人であっても起こすことがあるが、ピエロや黒柳といったプロの審査員は、よりエスカレートしたリアクションを表現することに文字通り命を賭けている。リアクションの中には、下手をすると著作権侵害になりかねないようなものも数多くある。アニメのオリジナルのリアクションでは『NARUTO』、『ONE PIECE』などのジャンプ系の漫画のパロディーが頻出する。原作では、1話ないし数話まるごとリアクションだけに費やされることもある。
初期のリアクションは、うまさのあまりのけぞるなど控えめなものであったが、徐々にリアクションはエスカレートしていき、臨死体験したり、人間外の者に変貌したり、命に関わる非常に危険な寸劇などを行ったり、果ては地球を救ったりと荒唐無稽な暴走を見せつけた。後半では変身するリアクションがほとんどになり、その中でも「すりゴマ」が入ったパンを食べたら「釣りバカ」になるなど無理やりの駄洒落のリアクションが大きな割合を占めるようになった。初期はパンの美味さを表現していたリアクションが、変身するためにパンを食べるということが増えた。
リアクション例
ガレットを食べた際に、登場人物全員が少女漫画風になる(ガレット→マーガレットつながり)。なお、両雑誌の出版社は異なるため(少年サンデーは小学館、マーガレットは集英社)漫画家と担当がもめていた。
クロワッサンを食べた際、審査員である黒柳が月面に初めて降り立った宇宙飛行士アームストロングと化す。
ノーベルガンダム(操縦系統はモビルトレースシステム型ではなく、普通のコクピットになっている)が月面上にてジェットストリームアタックで攻撃してきた黒い三連星を、やはり踏み台にしつつハリセンで倒す。黒い三連星(パン職人として登場)のデザインは、『機動戦士ガンダム』に出てくるパイロット達そのままの姿で声優もそれを意識したものであった(アニメ版のみ。その際、「この番組は『焼きたて!! ジャぱん』です」とのテロップが出た)。
『銀河鉄道999』の世界観に紛れ込む(あまりにも999そのままの内容に許可が出なかったのか、このリアクションは原作のみでアニメではパロディ的な表現になった)。だが原作の最後のページに松本零士が感想を書いている。
大怪獣ガメラのように回転して空を飛ぶ(原作、アニメ共に版権元(原作では大映、アニメでは角川映画)の許可を得ている)。
パンを食べた審査員が臨死体験をして天国へ行く(その際の評価は死ぬほど美味い)。
画風が一時的に変化(劇画風、少女漫画風、印象派など)。
和馬のジャぱん61号・大麻ジャぱんを食べたピエロがタイムトラベルによって過去へ行き母親に会う。
黒柳が河内のカニパンを試食した際、手がカニのようにチョキにしかできなくなり、横歩きした。
黒柳が河内のダブルクラストのフランスパンを試食した際、黒柳の学生時代の友人で「ダブるクラスメイト」の「キッド」という青年にまつわる回想話が始まった。
カナヅチだったピエロがかまぼこジャぱんを食べて、エラ呼吸(!?)になり泳げるようになった(アニメ版のみ。漫画版では本当に沈んでおり、モナコ警察のファラオに助けられている)。
秋田県大曲市の名産「曲がりネギ」を諏訪原が河内に食べさせた際、河内が『NARUTO』のうずまきナルト、諏訪原がうちはサスケに変身。サスケになった諏訪原は火遁焼きネギの術(火遁豪火球の術)の他、ネギ分身(影分身)とよこざわ長ネギ連弾(うずまきナルト連弾)などナルトの術パロディも使う。(アニメ版のみ)。余談だが、この話が放映された同じ週に放送されたNARUTOは、ナルトたちが料理対決をするというアニメオリジナルストーリーだった。
アニメ最終話の一話前、雪乃とのタルト対決では東と雪乃のタルトを黒柳に同時に食べさせたために、一話丸ごとリアクションにしてしまった。内容は『ロード・オブ・ザ・リング』(『指輪物語』)のパロディ(原作では「和馬の夢」としてリアクションとは無関係に描かれたものだったが、アニメではリアクションとして処理された)。
また、和馬のパン等のせいでリアクションを取ったまま人間に戻れなくなってしまった人達も少なくない。原作終盤のストーリーでは、「意思を持ったパン“魔王”が食べた人間の精神と肉体を支配して、パン人間ヒューパンとすることで世界征服を謀る」という、もはや料理漫画とは到底思えない展開となり、暴走したまま最終回を迎えた。
用語
太陽の手
通常、体の末端である手の温度は体温よりも低くなるが、血行が盛んならば手の温度と体温の差は小さくなる。そのような手をフランスではこう呼ぶ。パンの調理においては手の中で生地の発酵が進みやすいという利点がある。末端部の血行が必要以上に盛んだと体温を奪われやすく、生物としての人間の生存には不利なので、実際の持ち主は非常に限られている。また、生地の発酵においてのイースト菌の貢献率は7%程度にしか過ぎないので、太陽の手があるからといってそこまで大きな差があるわけではない。
主な所有者
東 和馬
冠 茂
エドワード・カイザー
グラン・カイザー(彼の場合は、さらに通常の2倍超の太陽の手甲を装備した「太陽の手・ギガントス」)
太陽の手甲(ガントレット)
全身を鍛え、その上で腕の筋肉を強化することで人為的に血行を促進して手の温度を上昇させ、太陽の手に近い能力を得ることが出来る。
主な所有者
河内 恭介
松代 健
模糊山 剛
諏訪原 戒(彼の場合は、ドライアイスを握ることで手を冷やし、身体の防衛本能を利用してさらに血流量を増やす「太陽の手甲・オーバーコート」)
霧崎 雄一
ボブ・カイザー
女神の手(ラ・マン・デユヌ・デエス)
幼少期から指関節の柔軟性を鍛えることで獲得できる、柔軟性の極めて高い手。利点は、あらゆる固さのパンをこねることが出来ること。
主な所有者
東 和馬
諏訪原 戒
エドワード・カイザー
ボブ・カイザー
グラン・カイザー(彼の場合は、手を足として使い続け、さらに柔らかくなった「女神の手・ウルティマ」)
吹雪の手
太陽の手の対極に位置する能力。異常に手が冷たい為、当然パン制作に最も不向きだが、無発酵、特にバターを多用するタルトを作る際は手の温度でバターが溶けにくいので、そういった物を作るのに最も適している手である。
所有者
梓川雪乃
ベーパーアクション
通常、パン生地は200℃前後で15分ほどかけて焼成するが、それを敢えて300℃以上の高温で3分ほどで焼成することにより、生地内の水蒸気を一気に爆発させ、ふっくらとしたパンに仕上げること。オーブンと生地の温度差が大きいほど良いが、チョコレート等を混ぜていない純粋な生地でないと、温度が上昇しにくい。
ホットプレス
パンをプレスして潰しながら焼く。日本でいうホットプレスサンドを作る手法。
超低温長時間焼成
150℃前後のパンの焼成温度としては超低温で長時間焼くことでパンの色を焦がさず焼き上げることが可能であるが、通常は水分が飛ぶことによって味や食感が損なわれる。作中では水飴にコーティングすることでその欠点を克服した。
バイタルグルテン
小麦などの植物性タンパクから精製したグルテンのことで蛋白強化剤といわれる添加物のこと。通常はグルテンを形成しない穀類でパンを作るときに用いるが、作中ではモチモチした食感を作るためにグルテンを通常の二倍にするダブルグルテンとして用いられた。
トュルニュ
生地を一定方向にねじる手法。そうすることによって、熱が伝わりにくい部分が生じる。その部分は焼成中でも生地の発酵が進み(これを窯伸びという)、パンがよりふっくらと仕上がる。ただ、ねじりすぎるとガスが抜けてとてつもなくまずいパンになってしまう。
フォンデュ
生地を折り曲げることで窯伸びをさせる手法。トゥルニュよりも簡単な上、二度折り曲げることでよりふっくらさせることが出来る。 堤が作るジャムフォンデュとは別の意味である。
クリーミング処理法
あらかじめ泡立てることにより空気を含んだバターを生地に加えると、ふっくらとしたパンに仕上がる。ケーキなどで主に使われる手法。
リミックス法
一次発酵の後に生地を再度捏ね、新たなグルテンを作りふっくらしたパンを作る方法。失敗するとグルテンが破壊される為に非常に硬いパンになってしまう。
老麺法
イーストの代用品として充分に発酵した古い生地を新しい生地に加えること。熟成した生地を加えることで風味豊かなパンになる。
ヒューパン
霧崎が自ら開発したパン・魔王を食べ続けることによって進化した、人間(ヒューマン)とパンの融合した生命体。ヒューパンへと進化した者は肉体がパンとなり、ゆえに物理的な損傷を身体に受けても平気な無敵の存在。ヒューパンをこの世から消滅させる方法は、彼らの身体を食べることのみである。しかし身体の一部(パン)を食べた人間は瞬く間にヒューパンへと変わってしまう。
ヒューパンの食糧は専らパンであり、霧崎=魔王は全人類をヒューパンへと変えることで、自分達パンによって世界を支配することを企む。
フラワーオブプラチナ
最高級の小麦粉を最高の状態に仕上げて生地を作り、最適な温度で焼き上げたときに現れる現象。パンの生地内が黄色く輝く。